高齢者と乳幼児は特に注意が必要

熱中症は誰にでも起きる可能性がありますが、特に注意しなければならないのが高齢者と乳幼児です。どういった点に注意しなければならないのか詳しく見ていきましょう。

高齢者と乳幼児は特に注意が必要

高齢者の場合

高齢者の場合

高齢者は若い人たちよりも脂肪が多く、体内の水分の割合が少なくなります。同じ環境下でも高齢者の方が熱中症を起こしやすく、さらに暑さやのどの渇きを感じにくくなっているので水分が不足しがちです。心機能や腎機能も低下しているので、重症化のリスクが高まります。体温調節も遅れがちで熱がこもりやすい状態なので、日頃からこまめな水分・塩分補給が必要です。また、室内環境にも注意してください。高齢者の熱中症は室内で発生するケースが多いです。部屋の温度が上がらないように工夫し、湿度もチェックしましょう。気温・湿度計、熱中症計を活用し、今いる環境の危険度を把握してください。冷房や除湿器、扇風機も積極的に活用して涼しく風通しのいい環境を作る必要があります。
入浴時や就寝時も身体の水分が失われていくため、知らず知らずのうちに熱中症になるケースも少なくありません。入浴前後の水分補給や枕元に飲料を置くなどの工夫が求められます。なお、外出時は身体の負担が増えるだけでなく汗によって水分も失われます。気温や日差しの影響を受けやすい状態なので、服装にも注意を向けてこまめな休憩や水分補給を忘れないようにしてください。高齢者は自覚症状がないケースが多いので、周囲が積極的に声をかけましょう。

乳幼児の場合

乳幼児の場合

乳幼児は新陳代謝が活発で常に基礎体温が高い状態です。しかし、汗腺が未発達なので体温調節が上手くできません。そのため、湿度が高い場所ではすぐに体温が上昇するので注意が必要です。こまめに顔色や汗のかき方を観察し、顔が赤く大量の汗をかいている場合には即座に涼しい場所に移動して十分に休ませてください。乳幼児は衣類の選択や着脱に関する知識がないので、周囲が配慮して服装を選び、状況に応じて着脱を行います。ただし、熱中症を防ぐために常に涼しい場所で過ごさせるのは避けてください。日頃から適度に外で遊ぶように促し、暑さに慣れさせましょう。
特に注意したいのが地表からの熱です。乳幼児は背が低く、ベビーカーに乗っていても大人より地面に近い位置にいます。そのため地表からの熱を受けやすく熱中症のリスクが高い状態なので、常に気をかけるようにしてください。乳幼児は暑さによる体調不良を自分の言葉で上手く表現できません。高齢者と同様に周囲が気にかけながら予防対策に取り組みましょう。