夏場のマスクは熱中症のリスクが高まる

新型感染症の影響でマスクの着用が当たり前の世の中になりましたが、夏場のマスクは熱中症のリスクが高くなるため注意が必要です。どういった対策が必要なのか見ていきましょう。

夏場のマスクは熱中症のリスクが高まる

マスクの着用によるリスク

マスクの着用によるリスク

身体から熱を放出するための仕組みは様々です。汗をかくだけでなく、皮膚の血流を上げて血管を拡張するなどの働きがあります。その中でも重要なのが呼吸です。例えば、犬は汗をかくことができないので暑い時には口を開けて激しく息を吐きます。これと同様に、人間も息を吐くことで体温調節をしています。しかし、マスクを着用すると呼吸がしにくくなり、熱の放出量も少なくなります。特に影響が強いのが乳幼児で、マスクの着用には注意が必要です。
マスクを着用して1時間5kmのジョギングをした場合、心拍数や呼吸数、二酸化炭素の量が通常よりも大幅に増加し、皮膚温度も1.5度以上上昇します。科学的にマスクと熱中症の因果関係が明確になっているわけではありませんが、ある地域では熱中症で緊急搬送された患者の40%近くが搬送される直前までマスクを着用していたというデータもあります。マスクを着用することで水分補給の機会も減り、脱水症状に陥る可能性がある点も考慮しなければなりません。

マスクを着用している時こそしっかり対策を

マスクを着用している時こそしっかり対策を

マスクを着用しているとどうしても水分補給が疎かになるので、意識してこまめに水分補給をしましょう。その際はコーヒーや紅茶などのカフェインが含まれているものではなく、水や麦茶、スポーツドリンクなどを飲んでください。また、風通しのいい衣類を着用して体内に熱がこもらないようにします。
毎日の食事も大切です。朝食を抜いたり簡単な食事で済ませたりすると、体力が落ちて熱中症の発生リスクが高まります。食事からも水分補給が可能なので、バランスのいい食事を意識して、過度なアルコール摂取は控えましょう。
水分補給や食事と同様に重要なのが十分な睡眠です。睡眠不足に陥ると熱中症のリスクが高くなります。夜更かしは控えて睡眠時間を確保し、生活リズムを整えましょう。また、適度な運動も必要です。運動不足の状態だと発汗機能が衰えて体温調節機能が上手く働かなくなります。激しい運動ではなくウォーキングやヨガなどの軽いもので構わないので、適度な運動を継続的に続けることが大切です。
周囲の環境にも意識を向けなければなりません。職場が暑いと感じるなら積極的にエアコンを使ってください。看護師は体力を使う仕事です。温度や湿度を上手くコントロールして、チーム全体で熱中症対策に取り組みましょう。