症状が似ている脳梗塞にも注意しよう

夏になると熱中症に対する注意喚起がニュースなどで大きく報道されます。それに応じて人々の水分・塩分補給などの対策意識も高まりますが、熱中症と同様に注意しなければならないのが脳梗塞です。

症状が似ている脳梗塞にも注意しよう

初期症状が似ている

初期症状が似ている

脳梗塞は熱中症と初期症状が似ています。暑い時期に体調不良になるとまず熱中症を疑うでしょう。しかし、水分不足により血液の濃度が高くなることで血管内に血栓ができ血管を詰まらせてしまうケースがあります。これを夏血栓と呼び、これが脳の血管を詰まらせることで脳梗塞に陥ります。熱中症との違いは、脳梗塞の場合は麻痺が起きる可能性が高い点です。顔や腕の麻痺、ろれつが回らないなどの症状が出ます。数分で症状が消える場合もありますが、それは一時的に血流が戻っているだけであって放置してはいけません。
脳梗塞になると脳に血液が届かなくなり細胞が死んでいきます。脳の細胞が死ぬと身体に重度の障害が発生し、失われた機能も回復しないため後遺症が残ります。日本人の死因の上位でもあり、非常に危険な疾患です。

夏血栓を防ぐには

夏血栓を防ぐには

夏血栓を防ぐポイントは熱中症と同様にこまめな水分補給と涼しい場所への避難です。血液がどろどろの状態になるのを避けるためには水分が必要です。のどの渇きを感じていなくても、こまめに水分補給をしなければなりません。作業やスポーツなどで汗をかく際にはスポーツドリンクを用意して水分と同時に塩分や糖分を摂取しましょう。逆に、アルコール類は利尿作用があるので危険です。暑い場所に長時間いることも避けてください。エアコンや扇風機を積極的に活用し、冷却グッズを身につけるなどの工夫が必要です。外出時には日陰を歩いたり帽子を被ったりして直射日光を避けましょう。

「FAST」で症状を見分ける

「FAST」で症状を見分ける

脳梗塞が疑われる際の症状を見分ける方法として「FAST」と呼ばれるものがあります。FはFace(顔)で、歯を見せて笑顔が作れるかをチェックします。AはArm(腕)で、前ならえをした際にどちらかの腕が下がっていた場合は危険です。SはSpeech(言葉)で、スムーズに言葉が出てくるかやろれつが回っているかをチェックします。TはTime(発症時刻)で、FASの中でいずれかの項目が当てはまる場合には即座に医療機関で受診することが求められます。

生活習慣の見直しから

生活習慣の見直しから

脳梗塞を予防するためには日頃の生活習慣がカギとなります。高血圧や糖尿病の人は特に注意が必要です。不整脈が疑われる際にはすぐに受診して、たばこを吸っている人は禁煙しましょう。アルコールも控えめにして、コレステロールの高い食事もほどほどにしてください。塩分や脂肪分の少ない食事を意識しつつ、適度な運動も求められます。